年末年始、どのように過ごす予定ですか?今年はコロナの影響で忘年会新年会がなくなったり、親戚回りもできなくなったり、味気ない年末年始になりそう……という方も少なくないのではないでしょうか。そんな時にもってこいのコンテンツは映画ですよね!今ならNetflixやAmazonプライムなどの配信サイトで色々な名作を見ることができます。
そこで、今回は家で楽しめる結婚をテーマにした映画をオススメします!これから結婚を考えている方々はもちろん、友人が結婚する方や、もう長年連れ添った夫婦も楽しめるような映画を紹介するので、ぜひご覧になってください!
「ハングオーバー!!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009)
こちらは2009年にアメリカで製作されたコメディ映画です。欧米には、バチェラー・パーティーといって新郎が結婚前に独身最後の夜を、同性の友達と過ごすイベントがあります。独身最後ということで同性の友達とハメを外しまくるもので、ストリップ観賞などが伝統とされています。監督はトッド・フィリップス。出演はブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキスほか。
バチェラーパーティーを題材にした傑作コメディ
「ハングオーバー!!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」はそんなバチェラー・パーティーを題材にしたコメディ映画です。バチェラー・パーティーでハメを外した翌日、パーティーの主役だったはずの花婿がいなくなっている。部屋の中も荒れ放題でとんでもないことになっているのですが、なんと全員ハメを外しすぎて、極度の二日酔いになっており、昨夜の記憶が一切ないのです。
そこで、一晩の間に一体何があったのか、そして、結婚式までに新郎を見つけ出さなければいけない!というのがあらすじ。自分たちが酔った勢いで犯した「やらかし」を辿っていくミステリー要素のあるドタバタコメディです。一見、めちゃくちゃな設定ですが、巧みに仕上げられた脚本と、魅力あるキャラクターたちにすぐに引き込まれてしまいます。
男たちのバカ騒ぎがクセになる
二日酔いで昨日のことが思い出せないけれど、とにかくめちゃくちゃやらかしてしまっている!という状況は、みなさん一度は経験あるのではないでしょうか。また、昨夜の記憶を辿っていくと、酔った勢いから結婚してしまっている仲間も出てきます。この展開、初めはバカすぎる!と笑わされてしまうのですが、最終的にはこのカップルは結婚にまつわる教訓もほんのりと匂わせてくれるんです。
また、結婚式までに新郎を見つけなければいけない!というシンプルな縛りからくる緊張感もこのコメディの質を高めています。男たちのバカ騒ぎと友情、そして矢継ぎ早に畳みかけてくる荒唐無稽なギャグがたまらない一作です。続編もあるのでまとめてチェックしてみてください。
「ベスト・フレンズ・ウェディング」(1997)
元彼でありながらも長年の親友である彼の結婚を、なんとか中止に持ち込み、自分に振り向かせようと奮闘する女性が主人公の作品です。監督はP・J・ホーガン、脚本はロナルド・バス。出演、ジュリア・ロバーツ、ダーモット・マルロニー、キャメロン・ディアス、ルパート・エヴェロットほか。数々のロマンティック・コメディでヒロインを演じてきた、ジュリア・ロバーツが主演した作品です。1997年にアメリカで製作されました。
恋敵の役として、まだ駆け出しの女優だったキャメロン・ディアスも出演しています。キャメロンはこの作品に出演後に大ブレイクするので、彼女にとって転機となった作品とも言えます。
結婚が決まった親友を自分に振り向かせようと悪戦苦闘するジュリアン
主人公のジュリアンと、その元彼であるマイケルは、別れてからもお互いを最もよく知る親友として良い関係を築いてきていました。マイケルは28歳までどちらも独身だったら結婚しようとジュリアンに言っていたのですが、28歳の誕生日を目前にしたジュリアンにマイケルから大事な話があると電話が……!これはプロポーズが来るぞと意気込むジュリアンですが、マイケルの口からでてきたのは結婚の報告。しかも、マイケルの相手のキンバリーは20歳の女子大生で、大富豪の娘。さらに結婚式を4日後に控えているというのです。
自分の中にマイケルへの未練があることに気づいたジュリアンは、キンバリーとの仲を引き裂き、マイケルの気持ちを再び自分へ向けようとあの手この手を繰り出すのだが……というあらすじ。追い詰められたジュリアンが必死にマイケルを振り向かせようとする姿が可笑しくも切ない、ロマコメの傑作映画です。
大切な存在が結婚してしまうことへの複雑な気持ち
とにかくこの作品の見所は、ジュリアンによる、マイケルとキンバリーの仲を引き裂き、マイケルの自分への恋心を再び刺激するための手練手管です。なりふり構わず攻撃を仕掛けるジュリアンですが、どうしても裏目裏目に出てしまう展開は笑えると同時にジュリアンへの共感が強くなっていきます。
また、失敗続きのジュリアンに助言をくれる友人のゲイ・ジョージの存在も魅力的です。キンバリーとマイケルを引き裂くことばかりに躍起になっている彼女に、ジョージは「本心は、彼への愛より、彼女に勝つこと?」と尋ねます。この作品の根幹に関わるともいえるセリフです。ジュリアンは最終的に作戦を成功させ、マイケルに式の中止を考えさせるまでにいたります。しかし、果たしてそれが本当にマイケルにとって幸せなのかどうかジュリアンは悩みはじめるんです。大切な親友であり、愛する人の結婚……。果たして、ジュリアンはどう決着をつけるのでしょうか。ぜひご覧になって確かめてみてください。
「マリッジ・ストーリー」(2019)
こちらはNetflixオリジナル映画。監督は「ヤング・アダルト・ニューヨーク」や「イカとクジラ」のノア・バームバック。そして主演に「アベンジャーズ」のブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンと、「スターウォーズ」の新三部作でカイロ・レンを演じていたアダム・ドライバーが夫婦を演じます。エンタメ大作からアート系の作品まで幅広く活躍する主演二人の演技も見どころの一つです。第92回アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞など、合わせて6部門でノミネートされました。結婚生活に齟齬を来たし、離婚に向かっていく夫婦の姿を描いたコメディ映画です。
「マリッジ・ストーリー」、直訳すると結婚物語というタイトルですが、実は離婚の話です。しかし、ここまで夫婦という関係性と真摯に向き合った作品は、なかなかありません。夫婦とは、繊細かつ夫と妻、どちらに対しても平等に見つめる視線は、改めて結婚や夫婦について、私たちに考えさせてくれます。崩れていく関係の中で、愛を浮き彫りにした傑作です。
愛し合っていたはずなのに壊れていく関係……
アダムが演じる、劇団を率いている演出家の夫チャーリーと、スカーレットの演じるチャーリーの劇団で女優をしている妻ニコールが主人公。二人は、ニューヨークで息子と三人で暮らしていました。物語はニコールがチャーリーに愛情を抱きながらも、自分の幸せを考えてもらえていないと感じはじめ、すれ違いが重なっていき、自分の人生を生きたいと思うようになり、チャーリーと離婚の決意をするところから始まります。
話し合いの結果、チャーリーとニコールはお互いに弁護士を立てずに、円満に協議して離婚しようしていました。しかし、ニコールがやり手の女性弁護士を雇ったことをきっかけに、互いに弁護士を立てて裁判を行うことになっていきます。初めは8歳の息子もいるし、円満に離婚して、別れても仲良くしていようと思っていた二人ですが、弁護士を介すことで、息子の親権や養育費の問題、またハリウッドに拠点をおきたいニコールと、それを認めずにニューヨークで劇団活動を行うチャーリーの言い分などから来る、お互いへの不満がどんどん大きくなっていき、二人の関係はよりこじれていってしまって……というストーリーです。
演技が素晴らしい
この作品の大きな見どころとして、アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの二人の演技の素晴らしさが挙げらることができます。特に終盤、チャーリーとニコールがお互いの気持ちをぶつけ合う場面は圧巻です。初めは二人とも冷静に、相手を傷つけないように話そうとしているのですが、だんだんとエスカレートして行って、激しく罵り合うところまでいってしまいます。そして二人ともボロボロになってしまいます。しかも、このシーンは10分間一本撮りで取られていることもあり、愛し合っていたはずのチャーリーとニコールの関係が壊れてしまったこと、それに対する二人の困惑や悲しみが生々しく伝わってきます。
また、ニコールの代理人になる凄腕の女弁護士ノラ・ファンショーを演じたローラ・ダーンもアカデミー賞の助演女優賞を受賞しています。セレブ感あふれるカリスマ女弁護士のキャラクターは強烈で目が離せません。
離婚しても家族は家族
結婚するのは二人ですが、離婚するのも二人です。この話の場合は、チャーリーが結婚生活の中で妻の要望などを蔑ろにしていた部分があったのですが、きっちりと離婚をすることで、チャーリーは結婚やニコールの考えと向き合うことになります。目的は離婚ですが、ここで初めてすれ違っていた夫婦はお互いに向き合うことができるのです。離婚後のチャーリーとニコールの関係性も、完全に終わりはせず、また違った家族の形で続いていきます。
結婚映画には名作がたくさんある
結婚にまつわる映画を紹介してきました。三者三様の内容ですが、どれも素晴らしい作品です。どれも気軽に見ることができる作品なので、ぜひご覧になってください。またこの他にも結婚を題材にした映画はたくさんあります。やはり、結婚という題材には人間の感情を強く揺さぶるものがあるんですね。お気に入りの結婚映画が見つかったら、それはあなたの結婚観が変わるきっかけになるかもしれません。ぜひいろいろ見てみてくださいね!