結婚式当日は何かと慌ただしく、満足の行く一枚が取られるとは限りません。結婚式を挙げないというカップルも、何か記念を形に残したいと思うもの。今回は、結婚式の前撮りをするメリットに始まり、その料金相場、スケジュール、最後は着られる衣装の解説をしていきたいと思います。
結婚式の前撮りってなに?前撮りするメリットは?
結婚式の前撮りとは、式の当日よりも前に、和装やウエディングドレス姿で記念写真を撮影すること。「別撮り」とも言います。当日に行う写真撮影は慌ただしくなるのが常です。写真写りが微妙だったり、目線が合っていなかったり、表情がうまく作れなかったりするかもしれません。それはそれでライブ感のある、大切な思い出の切り取りとも言えますが、やはり記念写真として一枚、新郎新婦のバッチリ決まった晴れ姿を収めたいものです。
そこで、式の当日とは全く別の日に前撮りを行うことで、表情やポージングはもちろん、ロケーションにこだわったり、衣装やヘアメイクをしっかり整えて撮影することができ、光の加減や背景を加工することもできます。また、衣装合わせやヘアメイクリハーサルを兼ねる意味合いもあるため、当日の予行練習にもなります。
ウェディングプランによっては前撮りがセットで含まれるものもあり、結婚式会場のスタッフに勧められて前撮りをしたというカップルも多いです。また、当日に身に着けないドレスや打掛で写真を撮ることもできるので、色んな花嫁ドレスに身を包んでみたいという方にもおすすめです。
また、最近は、結婚式や披露宴を行わない「なし婚」カップルも増えてきています。式は行わなくとも、結婚を記念する何かを形に残したいなという方にも前撮りはおすすめです。ちなみにこの場合、結婚式を行わないので「前撮り」とは言わず、写真のみの結婚式として「フォトウエディング」と呼ばれています。
もっと言うと、前撮りで撮影した写真はアイデア次第では色んなシーンで活躍するお役立ちアイテムにもなります。結婚式当日に、ウエルカムボードやフォトツリー、ウェルカムツリーに飾ってゲストへの自己紹介も兼ねたり、親へのプレゼント、ビデオといった演出に使うもよし、年賀状や結婚報告はがきなど式後に使うもよし、最近ではフェイスブック、InstagramなどのSNSでシェアするのも定番ですね。
前撮りの場所は?
前撮りを行う場所は、ロケーション撮影とスタジオ撮影の2種類があります。
ロケーション撮影では、機材を外に持ち出し、屋外で撮影を行います。実際の街並みや自然の風景の中で取られた写真には、生き生きとした美しさがあります。和装で撮るなら庭園や神社など和の風情が漂う場所、ドレスなら緑地や海辺といった開放感のある場所、というように自分たちの好きな場所を指定できます。
中には、二人の思い出の場所で撮影したというカップルも。また、春には桜の花びらを浴びながら、初夏には心地よい新緑に囲まれて、秋には鮮やかな紅葉の下で、冬には町のネオンの煌めく雪景色の中で、まるで映画のワンシーンのように、四季折々の季節感とともに二人の晴れ姿を残すことができます。
ただし、屋外での撮影では、例えば雨が降った時にどうするかという問題が起こり得ます。また、同じ場所も季節で風景が変わるので、スタジオによっては不得意なシーズンがあるかもしれません。場所によっては許可が必要な場合もあるので、依頼先のスタジオなはどこで撮影できるのかを事前に確認しておく必要があるでしょう。天候などの影響で屋外では満足のいく写真が撮れそうにない場合に備えて、スタジオ撮影と一緒に組んでおくとベターですね。
スタジオ撮影では、式場に併設された屋内の写真スタジオで撮影を行います。メリットはなんと言っても、天候に左右されない点ですね。撮影場所に移動する時間もかからないので、落ち着いて撮影することができます。
また、設計された照明やステージの上で撮影するので、フォトショップのような、写真写りのよい仕上がりになりやすいです。それに、衣装を着替えたりヘアスタイルを変更する場合にも、屋内の方が着替えやすかったり、衣装を汚す心配がなかったりと、何かと都合がいいですね。基本料金的にも、ロケーション撮影よりリーズナブルな場合がほとんどです。
前撮りの費用相場は?
前撮りのメリットは分かったものの、やはり気になるのがお値段ですよね。相場としては、スタジオ撮影では5万~20万円程度、ロケーション撮影の方がやや割高で10万~25万円程度が一般的のようです。
結構幅が広いな、と思うかもしれませんが、これは前撮りに様々なオプションが付いてくるためです。基本料金はそれほど高くありませんが、そこに例えば衣装をグレードアップさせたり、途中で別の衣装に着替えたり、撮影用の小物を使用したり、ヘアスタイルやメイクを変更したりすることによってどんどん追加料金がかさんでいくと言った感じです。
ロケーション撮影なら、撮影場所によっても料金は大きく変動します。ポーズを変えて1カット増やすだけでも万単位で費用が追加されることもあるようです。また、撮った写真をアルバムにするのか、データ納品だけにするのかによっても変わってきます。
もしかしたら、新郎新婦2人だけでなく、もっと大人数で撮りたい場合もあるかもしれません。基本的に前撮りは、新郎新婦2人を撮影するプランがスタンダードになってはいますが、新郎新婦以外の知人や家族と一緒に撮影するプランも可能です。ただし、やはり料金が変動する可能性が高いので要確認です。
オプションの種類が豊富なだけに、こだわるところはこだわり、抑えるところは抑えるといったメリハリが大事ですね。スタジオよってはお得なセットプランが用意されていることもあります。費用を抑えるコツとして、人気のある曜日やシーズンを避けるという手があります。スタジオによりますが、撮影の日取りを平日にすることで、土日や祝日よりも1〜2万円程度安くなる場合があります。それにロケーション撮影の場合、平日であれば撮影場所に人が少ないことも期待でき、一石二鳥ですね。
前撮りを行うのはいつがいいの?
次に気になるのは、前撮りを行うタイミングでしょうか。卒花の先輩たちに聞くと、結婚式の半年〜1ヶ月前が最も多いようです。結婚式当日の演出に前撮り写真を使いたい場合には、写真のセレクトや仕上がりに2週間~1ヶ月ほど時間がかかるので、早めに撮っておきたいですね。
注意しておきたいのは、希望撮影日のギリギリに予約しようとしても、他のカップルに先取りされている可能性があること。だから、遅くとも希望日の3ヶ月前には、撮影をお願いするスタジオや会場と日程を確定させ、予約しましょう。とりわけ桜や紅葉の季節は人気のシーズンなので、驚くほどあっという間に予約が埋まっていきます。逆に真夏の時期は、汗でメイクが崩れやすかったり、特に和装を着ると暑さが厳しく、比較的空いている傾向ですね。
前撮りの日程が確定したら、その日に向けて、コンディションを整えておくことも大事です。安くないお金を払って撮ってもらうのですから、ボロボロの状態で当日を迎えたくはありませんよね。洋装で露出が多い場合には、美肌ケアは不可欠です。エステサロンを探したり、生活リズムや食習慣を見直しましょう。結婚指輪のアップを撮られることもあるため、顔だけでなく、ネイルや指先のケアなど、手元のケアも忘れずにしておきましょう。
身体的なコンディションだけでなく、精神的なコンディションも調整しておきましょう。前撮り撮影では、プロのカメラマンの方が、自然に見えるポーズや、見栄えするポーズを指示してくれます。また、ロケーション撮影なら多くの人の前で撮られることにもなり得ます。そういう状況になれてない方は、戸惑いを感じたり、緊張したりして、うまくポーズが出来なかったり、表情が硬くなったりしがちなので、事前にサンプルなどでポーズの確認をしておくとか、 決定した撮影場所をイメージしておくとかして、心の準備をするといいでしょう。
前撮りの衣装にはどんなものがあるの?
最後に、前撮りで着られる花嫁衣装にはどのようなものがあるのか、確認しておきましょう。
和服
日本人伝統の服装なだけに、どの体型の方でも様になります。庭園や神社など日本らしいロケーションとマッチします。年配の方にも喜ばれやすく、和装選びに困ったら、両親や親族の方に相談してみるのもいいでしよう。
・白無垢…その名の通り、花嫁が身につける衣服、小物に至るまで、全て白色で統一された和装です。邪気を払い、「旦那に、何色でも染まっていく所存」という意味があります。
・色打掛…赤や青、緑など様々色や柄が入った打掛のことです。儀式性や貞淑さを押し出す白無垢に対し、「華やかさ」や「お祝い」といった印象になりますね。中でも赤い色打掛は、赤と白の組み合わせが人気のカラーリングです。
・引き振袖…豪華な帯が特徴的です。他の和装と違い、こだわりの柄の帯が外から見えるようになっています。色は白や赤もありますが、なかでも黒地の引き振袖が、艶美さを出して人気です。
ドレス
ドレスは、自分の体形に合わせて選ぶことが美しく見せるためのポイントです。また、撮影シーンやロケーションに合わせて選ぶことも重要です。
・プリンセスライン…きゅっとしたウエストからふんわりと広がったシルエット。ディズニーに出てくる白雪姫のようなイメージ。スカートのボリュームが下半身を丸ごとカバーしてくれるので、ぽっちゃりした人やお尻が大きい人にもおすすめです。
・Aライン…さながらアルファベットのAのように、スッキリとしたトップスから、ボトムスにかけてドレスが裾に向かって真っすぐシャープに広がるシルエットです。バランスがよく、どんな体型の人でも似合いやすいですし、身長を高く見せたい人にもおすすめのラインですね。
・スレンダーライン…身体のラインが強調され、細身のシルエットが特徴的。タイトなドレスラインで幅より高さを強調するため、大人っぽいイメージのドレスで、長身でスラリとした人に似合います。シンプルなデザインのため、アクセサリーが生えるドレスでもあります。
・マーメイドライン…体に添ったスレンダーなトップスと、膝下から裾に向かってスカートが広がるデザイン。くびれを強調し、女性らしいシルエットになります。体型に自信がない方でも、人魚のようなしなやかなスタイルを演出することができます。