結婚式にも様々なスタイルがありますが、最近トレンドなのがナチュラルウェディング。伝統や形式から解放され、ゲストと新郎新婦が自然体で式を行う現代らしいスタイルです。
ナチュラルウェディングでは緑との調和をモチーフに、「シンプルさ」「素朴さ」を重視して装飾をしていきます。そこでは、豪華にデコレーションされた従来のウェディングケーキは、コンセプトから外れてしまうかもしれないと考えるカップルも多いんです。
そこで今回は、ナチュラルウェディングの式場の様子、人気のウェディングケーキのデザインについて見ていきましょう。
ナチュラルウェディングって何?
「ナチュラル(natural)」という言葉には、「自然界に存在する、人工的ではない」という意味と、「ありのままに、意思のおもむくままに、自然体で」という二つの意味があります。
ナチュラルウェディングとは、言葉の意味通り、自然のモチーフをふんだんに取り入れ、沢山の花に囲まれつつ、新郎新婦とゲストが自然体でいられることを意識した結婚式のこと。
おしゃれで落ち着いた雰囲気を好むカップルや、「形式的で、儀式っぽい結婚式が苦手」「自分たちもゲストも、変にかしこまらず、自然体で式を行いたい」と言うカップルを中心に、人気が高まっているウェディングスタイルです。
ナチュラルウェディングってどんな感じ?
会場は、もちろんチャペルで行うのが主流ですが、ゲストと新郎新婦の距離感をなくしてアットホームな雰囲気で行うために、テラスチャペルやバンケット、ゲストハウス、レストランなど、カジュアルな場所で行うカップルも増えています。
装飾は、椅子やテーブル、花瓶など大道具・小道具を木製で揃えたり、ガーデンや大窓から陽光の差し込む会場にしたり、テーブルの上に動物のモチーフを置いたり、ウェルカムツリーにこだわったり、豪華な花よりも野花などのグリーンを多く取り入れるなど、自然をテーマにして、素朴で優しい雰囲気にします。
さらに式場の構成は、新郎新婦の座る高砂席とゲストの座る丸テーブルといった従来のスタイルを取っ払い、大テーブルにみんなで座る海外ウェディング風にしたり、新郎新婦席をソファースタイルにしてフォトブースとして仕上げたりと、ゲストが新郎新婦と一緒に自然体でリラックスできるような会場にするんですね。
また、花嫁のドレスに関しては、草木のグリーンに映えるドレスが選ばれることが多いでしょう。パステルピンクやパステルパープルといった、淡い色合いのドレスが人気です。スカートのスタイルも、豪奢な感じよりは自然体で落ち着いた雰囲気になるように、胸下からスカートが広がるエンパイアラインのドレスや、ボリュームを抑えたスレンダーラインのドレス、スカート丈がふくらはぎまでのミモレ丈ドレスなど、シンプルで清楚なデザインのものが人気。
そして、今回詳しく取り上げるのがウェディングケーキ。披露宴に出てくる魅力的なケーキは結婚式の印象を決める大事な要素です。従来のウエディングケーキといえば、生クリームをたっぷりとほどこし、豪華にデコレーションしたケーキを思い浮かべると思いますが、ナチュラルウェディングのコンセプトは素朴さなので、派手でラグジュアリーケーキはミスマッチかもしれません。
それでは、ナチュラルウェディングの雰囲気にマッチしたウェディングケーキとして、どのようなものがトレンドなのでしょうか?一緒に見ていきましょう!
トレンド①ネイキッドケーキ
そこで人気を博したのが、あえて全面にクリームを塗らずに、スポンジ部分がのぞいている文字通り「裸の」ネイキッドケーキ。一般的には、クリームを全く塗らずにスポンジが剥き出しなのがネイキッドケーキ、クリームを薄く塗り、スポンジが透けて見えるのがセミネイキッドケーキと呼ばれています。
ニューヨークの人気スイーツ店「Momofuku Milk Bar」で生まれ、一気にブームとなりました。ふわふわスポンジがむき出しになった、素朴かつ斬新なデコレーションとシンプルな見た目が、ナチュラルウェディングにぴったりだとして一躍トレンドになりました。
写真の通り、ネイキッドケーキは素朴でシンプルな印象なので、ガーデンで行う結婚式や、自然の豊かな環境での結婚式など、ナチュラルウェディングの雰囲気にぴったりなんです。上から下へキャスケードブーケのように花が垂らされていて、野花やグリーンがさりげなく添えられてるのも素敵ですよね。
シンプルなケーキなので、もっとデコレーションしたいという場合には、この写真のようにケーキの段になっている部分にグリーンを挿してみるのもおすすめ。他には、トップに花びらを散らしてみたり、ボトムに多肉植物を挿すやり方もあります。デコレーションに使う植物も、花嫁が持つブーケやヘッドドレスのお花とリンクしていると、よりテーマ性が出て素敵です。
トレンド②ホワイトケーキ
ネイキッドケーキの人気に追いつくようにして、最近凄い勢いでトレンド入りしているのが、ホワイトケーキ。ケーキのまわりを生クリームで塗っただけのシンプルでプレーンな見た目が、洗練されていてオシャレですし、ナチュラルウェディングの雰囲気にマッチしているとして人気急上昇中なんです。
オールホワイトのクリームケーキは、シンプルなぶん、クリームの塗り方のアレンジで個性を演出できます。例えばこの写真のように、ボーダーにクリームを塗って、横線が入るようにするとスマートな印象になります。もちろんナチュラルウェディングなので、中段にグリーンをデコレーションして、素朴な可愛らしさ。
生クリームをラフにペタペタと塗ったケーキは、「rough frosted cake」と呼ばれ、根強い人気を誇ります。陰影ができて、シンプルながら動きのあるデザインになりますね。ケーキ自体に存在感があるので、まわりには何もデコレーションしない方が自然。ホワイトケーキらしくてカジュアルな印象になります。ただし、一口にラフと言っても塗り方は様々なバリエーションがあるので、イメージと違う、ということにならないように、事前打ち合わせは大事ですね。
生クリームを均一に塗ると、ノーブルな雰囲気の仕上がり。トップの飾りまで全て白で統一したオールホワイトケーキなので素朴さの中にも上品さがあります。表面がつるんとしているので、流行りのカラードリップとの相性も抜群。
素朴な中にも気品とラグジュアリーさを求めるカップルにおすすめなのが、金箔がデコレーションされた金箔ケーキ。お祝いの席にぴったりの金箔は、ともすると豪華なイメージになりがちですが、ホワイトケーキに添えると派手になりすぎず、良いバランスで華美さを演出してくれます。
今回は、ナチュラルウェディングにマッチするウェディングケーキとして、ネイキッドケーキとホワイトケーキの二つを紹介してきました。デザインがシンプルなぶん、アイデア次第でさまざまなアレンジが可能ですし、植物との相性が抜群なところが良いですよね。
小花から大きめのお花、グリーンや実ものまでどれを選んでも引き立ててくれますし、ブーケや会場装飾のお花と同じものを選ぶと統一感がでていいですよ。式場や衣装・ヘアメイクとのコーディネートも考えることで、自分たちだけの結婚式になるかもしれません。