追いコンとは、サークルや部活の先輩の引退を祝うための会。今までお世話になった感謝の気持ちを伝えるためだけでなく、先輩が抜けた後の団体を自分たちが引き継いでいく決起集会でもあります。「どんな追いコンにしたら、尊敬するあの人の記憶に残るような追いコンになるだろうか?」と頭を悩ませている後輩の皆さんに向けて、今回はおすすめの演出案を、定番から変わり種まで用意してきました!
プレゼント
後輩から先輩へプレゼント贈る演出は、やっぱり追いコンには欠かせませんよね。先輩への気持ちをちゃんと伝えられ、先輩に喜んでもらうものにするためには、それなりの準備が必要です。
花
花を贈るのは、感謝の気持ちが伝えやすく、会場が華やかにもなっていいですね。予算もそこまでかかりません。
一輪花の場合、用意する本数をこまめに設定しやすく、一人当たりの予算もそこまで高くならないことがメリットです。また、卒業生一人一人に渡すことができ、また一人一人に別の花を贈ることでメッセージ性を持たせるか、もしくは全員に同じ花を贈ることで一体感を出すかの選択ができます。
スタンダードに花束を贈る場合、花の種類や大小の組み合わせによって、同じ予算内でもさまざまなバリエーションのものを作ることが可能です。また、価格帯を調整しやすく、安く済ませることも、お金をかけることもできます。
花を選ぶ際には、その花が持つ花言葉を参考にするといいでしょう。ここでは、卒業や引退を祝うのにふさわしい花言葉を紹介します。
・スイートピー……花びらが飛び立つ蝶に見えることから、「門出」「私を覚えていて」
・ゼラニウム……魔除けや虫除けとしての役割が転じて、「尊敬」「信頼」
・アイビー……他の樹木に絡まって育つことから「友情」「誠実」
・フリージア……花姿の明るさや、香りの甘酸っぱさから「信頼」「親愛」「友情」
・赤いカーネーション……登場する神話に関係して、「愛」「敬愛」「感動」
・白いバラ……何色にも染まらない様子から、「無邪気」
・ピンクのバラ……穏やかな色合いから、「感謝」
・カスミソウ……花姿の純白さ、可憐さから、「清い心」「幸」
逆に、ネガティブな花言葉を持つ花もあるので、贈る際には気をつけましょう。例えばユリの花言葉は数多くあり、赤なら「優しさ」、黄色なら「陽気」、オレンジなら「愉快」などプラスの意味を持つ一方で、「虚栄心」「不安」「憎悪」などマイナスの意味も持っています。他にもキンセンカ「別離」「失望」「悲しみ」など、ネガティブな花言葉を持つ花は門出を祝うものとしてはふさわしくありませんね。
色紙・アルバム
もう一つ定番なのが、後輩たちの寄せ書きを書き入れた色紙や、思い出の写真を貼り付けたアルバム。自分たちで手作りするだけに、材料コストは工夫次第でいくらでも抑えられます反面、クオリティも自分たちの腕にかかってきます。
色紙やアルバムで大事なのは何よりデザインです。写真の見やすい配置や、文字と紙の色の組み合わせなど、よりメッセージが伝えられるものを目指しましょう。
色紙やアルバムのデザインを選ぶ際は、贈る相手をイメージして選んでください。例えば、明るい雰囲気で部内のムードメーカーだった先輩にはポップ風のデザイン、落ち着いた先輩なら上品なデザイン、ギャグ担当だった先輩にはネタを取り入れたクスッとできるデザイン、ユニークな発想の先輩なら立体的だったりトリッキーなデザインなど。いくつかの候補を出し合い、後輩たちで相談して決めるとそれ自体がイベントになって楽しいですよ。
色紙については、寄せ書きする人数に合わせて、適切なサイズのものを選ぶことも大事。大きすぎると持ち運びに不便ですし、小さすぎると文字が見にくくなってしまいますからね。目安として、15人前後の寄せ書きなら27.3×24.3cmサイズが一般的です。より人数が多くなる場合や、一人一人がより多くのメッセージを書き込みたいという場合には、二つ折りや両開きタイプの色紙にすると、かさばらずに済むのでおすすめです。また、バインダーにメッセージカードを入れる、というアイディアもあります。
オリジナルグッズ
部活で使用していたアイテムは、引退すればクローゼットの奥にしまわれるのがほとんど。そこで、生活の中で使うような日用品をプレゼントにして、しかもサークルや部活のロゴが入ったものにすれば、卒業された後もそれを使うたびに現役だった頃のことを思い出してもらえそうですよね。
例えば、全員の写真がプリントされたマグカップや、先輩ごとに違う名言がプリントされたTシャツ。また、先輩の名前や追いコンの日付、その代の実績などが彫り込まれたキーホルダーなんてのもかっこいいですね。
一つ難点としては、自分たちのオリジナルデザインのものを、先輩の人数ぶん生産するだけに、コストがかかりやすいこと。また、オーダーメイドを取り扱う販売店を探し、デザインを考えるなど、時間と手間もかかります。しかしそれだけ、プレゼントされる側に伝わる愛も大きいと言えます。
社会人アイテム
そのほか、大学を卒業して、社会人になる先輩方には、ビジネスグッズを贈るのも喜ばれるのではないでしょうか。ボールペンや手帳、名刺入れ、靴べらなどは、ビジネスの場面では絶対に使いますし、2,000円から30,000円と、価格帯が広いので、学生にも手が出せる代物なのでおすすめです。
ムービー
試合や公演、旅行時のものなど、卒業される先輩が活動していた頃の映像を集めてムービーにするのもおすすめの演出案です。「動画編集」というと難しそうなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、画像を流すだけの簡単なスライドショーなら、windowsに備え付けのソフトを使って案外簡単に作れるんですよ。
昔の映像や画像を流すだけでも、意外と感動するものです。自分たちが歩んできた道のり、団体でやってきたことを思い返し、「あの時はこうだったな」とノスタルジックな気持ちに浸ってもらえます。
また、ムービーを作るなら、卒業される代の上の先輩方に出演してもらうと、かなり喜んでもらえます。後輩である自分たちとしては接点が少ないので頼みづらいかもしれませんが、先輩たちにとってはまさに現役時代お世話になった人たちですし、卒業されてから会う頻度も少なくなっているはず。久しぶりに顔を見られたことで、驚きと喜びのダブルパンチをお見舞いできるので、すごくおすすめのアイディアです。
それに、ムービーを作るにあたっては必要な経費がほとんどないのも大きなメリット。パソコンを用意し、素材となる動画や写真を集められれば、あとは加工して編集するだけ。編集ソフトも無料で手に入るものが多くあります。ただし手間と時間はかかるので、同じ代のメンバーで手分けして作業しましょう。自分たちがまだ入学していない頃の素材は入手しづらい場合があるので、その時は先輩にバレないように、より上の世代の方々にこっそり協力をお願いする必要がありますね。
会場でムービーを流したあとは、そのデータをDVDに焼いて、卒業式など忘れた頃を見計らってプレゼントすると、一粒で二度美味しいですよ。
サプライズ
忘れられない追いコンにするために効果的な方法、それは「サプライズ」を取り入れることです。人を驚かせるのは簡単なことではありません。入念な準備と強い気待ちがあって初めて成功させられるものなのです。そのぶん、サプライズを受けた側は驚きとともに、強い喜びを感じてくれるはずです。
フラッシュモブ
例えば、最近人気が高まっているサプライズの一つがフラッシュモブ。公共の場で、通りすがりの人たちがいきなり踊り出すパフォーマンスのことで、CMなどで一度見た方も多いと思います。あれを、貸切のレストランなどでやるというアイディアです。それまで普通に話していた友人たちが、店員と一緒になって踊り出したら、驚かない人はいません。
難点としては、練習がかなり必要なことですね。完璧にやろうとすればかなり難易度の高いパフォーマンスなので、振り付けを覚えるのはもちろん、曲が入るタイミングなども参加者全員で打ち合わせして、何度かリハーサルをしなければいけません。しかし、プロのダンサーがやる訳ではありませんし、その場のライブ感で圧倒できるので、細かい動きよりも勢いが大事になるでしょう。追いコンを行う団体がダンス系の部活やサークルなら、一つ選択肢に入れてみてもいいのではないでしょうか?
会場に仕掛ける
もう一つのアイディアは、追いコンの会場を派手に装飾するというものです。デザインはともかく、会場自体を特別な場所にしてしまうだけで、印象に残る追いコンになることは間違いありません。
例えば、コンセプトを決めて(できれば団体の活動に即したものがいいですね)それに沿って空間を作り上げたり、普通に先輩たちが写った写真を貼り付けまくったり、プロジェクターを設置して映像を流したり、黒板やホワイトボードにメッセージやイラストを描いておいたりしてもいいですよね。
会場は、貸切できる場所に限られるので、公民館や誰かの部屋という選択もあり得ます。Airbnbを使ってパーティ用の部屋を借りる手もありますね。
会場を特別な場所にしてしまうという意味では、たどり着くまでのルートに工夫を凝らすというアイディアもあります。つまり、会場までの道のりにいくつかのヒントを設置し、先輩たちにそのヒントを頼りに会場までたどり着けるかというゲームをやってもらうのです。
ヒントの内容は、単なるなぞなぞや暗号にしてもいいですが、解けなかった時のことを考えると、難易度の調整が難しそうです。おすすめは、その団体内の人たちだから分かるものです。例えば「今年新歓を行った場所」「◯◯先輩が△△に告白した場所」など、思い出のある地点にヒントを設置すると、ゲームを進めながら感傷に浸ってもらえます。
とっておきの演出で先輩を驚かせよう!
以上、さまざまな演出案を紹介してきました。シンプルなものも、工夫次第で新しい感動を呼ぶものにできるので、ぜひアイディアを練ってみてください。ただし、演出を成功させることに気を払い過ぎて、肝心の先輩とのコミュニケーションをおろそかにしないようにしましょう。