コロナで新しい生活様式が確立!結婚式マナーはどうなる?

新型コロナウイルス感染症により、わたしたちの生活様式は大きく変わりました。人々が集まることが制限された今の状況下で結婚式を控えていたカップルの多くは、式を開催するべきか、中止・延期するべきかといった選択に立たされています。今回の記事では、式の開催を決断したカップルに向けて、感染リスクを可能な限り抑えゲストの方に安心感を持って出席してもらえる式にするためのポイントを解説していきます。また招待状を受け取ったゲストの視点で、式の出席に関して考えるべきポイントも解説していきます。

主催する側が気を付けるべきこと

結婚式を行う場合、感染リスクを可能な限り抑えゲストの方にも安心して出席してもらうためには、どのようなことに気を付ければいいでしょうか。公益社団法人日本ブライダル協会(BDI)が、厚生労働省やWHOの発表に基づき、「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を策定しています。今回はこれに沿った形で、重要な点を見ていきましょう。

出席者の体調確認

結婚式には多くの人が集まることになります。万が一、式の最中に感染者が出た場合、式場がパニックになることは避けられません。式が終わった後で、出席者の中に感染者がいたことが判明しても、ゲストの方々を不安にさせてしまうことになります。そうならないために、出席者には必ず事前に検温と体調確認をお願いし、体調がすぐれない方には出席を辞退してもらうようにしましょう。

アルコール消毒を徹底する

新型コロナウイルスの主な感染経路の一つは、接触感染です。例えば、感染者が咳やくしゃみを自らの手で押さえた後、その手で回りの物に触れると、そこにウイルスが付着します。それを触った未感染者の手に付着することで、どんどん感染が拡大していくわけです。したがって、ドアノブ、椅子、エレベーターなど不特定多数の人が触れるものに触れたタイミングで、アルコールによる手指消毒を徹底してもらいましょう。そうすることで、感染リスクをある程度下げることができます。お手洗いやテーブルなど館内各地にアルコール洗剤を設置して、円滑に消毒が行えるようにし、式場の衛生管理を徹底します。 また、物の手渡しの際は慎重に行うことです。例えば披露宴中、スタッフがゲストのカメラやスマホを預かって写真撮影をすることがありますが、従来通りのやり方だと、カメラからスタッフの手、そしてサービスする皿へとウイルスが付着していく可能性があり、危険です。スタッフ一人一人に携帯用アルコールを常備してもらう、受け渡しの前後でアルコール消毒を行うなどの配慮が必要になります。また、口元で使用するマイクは特に注意です。司会者からのゲストインタビュー形式でのマイクの使いまわしなどは避けた方がいいでしょう。

マスク着用について

厚生労働省の発表によると、マスクを着用することで、咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐうえで高い効果が期待できる(予防効果は、相当込み合った屋内の場所でなければあまり認められていない)ので、咳やくしゃみの症状がある人には積極的にマスクを着用してもらうようにしましょう。また、挙式の際のチャペル内、写真撮影など密集が避けられない場合には、マスク着用をお願いしましょう。

換気を行う

密閉空間を作らないという視点から、換気を積極的に行うことが大事です。厚生労働省の発表によれば、屋内においては一人当たり毎時30立米の換気量が確保されていなければなりません。それも、窓を開放することで自然換気を促すだけではなく、換気扇による機械換気が必要です。相談している式場が必要換気量を補うだけの設備工事を行っているか、必要換気量を踏まえた収容人数はどれくらいになるのかを確認しましょう。場合によっては、外気を十分に取り入れられる屋外での挙式に変更することも考えられるでしょう。

ソーシャルディスタンスを確保する

新型コロナウイルスは飛沫感染が危険視されているので、咳やくしゃみによる飛沫が及ばないよう、出席者同士の間隔(ソーシャルディスタンス)を確保する必要があります。具体的には、100㎝以上、1席程度の間隔が目安とされています。 したがって、挙式場においては参列者に臨席者との十分な間隔を空けて座ってもらい、近距離での会話や発声、高唱はなるべく避けてもらうようにしましょう。披露宴会場においては、なるべく広めの会場を用意し、通常6名から8名で座るテーブルを4名で配置するなどして間隔を確保しましょう。ただし、5人連れの同居家族などは例外として、一つのテーブルに座ってもらって構いません。

出席人数を減らす

新郎新婦の後ろ姿 コロナ禍では、招待客を減らしたり、親族婚にするなど出席者を減らした結婚式が増加しています。式場に集まる人数を絞ることで、感染者が式場にいる確率を減らし、密集度合いを弱めて感染リスクを減少できるからです。会場にいる人数が減ることで、必要換気量やソーシャルディスタンスなど、達成すべき条件が低くなるメリットもあります。すでに招待状を送って返事をもらっている場合には考えにくい選択ではありますが、式場の収容人数を踏まえて考慮にする必要があるでしょう。

料理の提供に関して

披露宴会場で料理を提供することに関して、不安に思う方が多くいらっしゃるようです。厚生労働省の発表によれば、これまで、食品を介して感染が拡大した例は確認されていません。したがって、製造、流通、調理、販売等の各段階で、食中毒を防ぐための一般的な衛生管理が徹底されていれば、料理によって感染が起きる心配はありません。 ただし、ビュッフェなどの提供スタイルで、トングをゲストの間で使いまわしたり、会話などで飛沫が付着した恐れのある料理をシェアしたり、お酌で食器を手渡しあうことには注意しましょう。大皿での提供よりも個人盛りが推奨されるため、数種類の料理を個人盛りにして選んでもらう、料理を選ぶ際に密にならないよう案内するなどの工夫が必要です。

演出に関して

結婚式サプライズ コロナ禍では、描いていた結婚式をそのまま実現することは難しいでしょう。例えば密集・高唱は飛沫感染リスクを伴うため、ある程度の距離が確保できなければ聖歌隊の合唱は行えないかもしれません。披露宴で行うはずだった楽しい余興もできないかもしれません。このように、感染リスクを踏まえると、予定していた演出を変更せざるを得ない場合があります。それでも、讃美歌歌唱が無理ならCD音源へ変更する、屋外に場所を変更するなど、何らかの代替案をひねり出すことはできます。 未曽有の事態とはいえ、一生に一度の結婚式ですから、やりたかったことをすべて諦めてしまうのでは後悔が残るかもしれません。どうしたら感染リスクを押さえて実現できるのかという視点で、式場のプランナーと相談しつつ考えていくことをおすすめします。

ゲスト側が気を付けるべきこと

現状、結婚式に参列することに対する考え方は多様化しており、「参加したい」という声と「招待されて困る」という声の両方がありますが、やはりお祝いの場である以上、出席したいという声が過半数のようです。招待状を受け取ったゲストの側で、気を付けるべきこととは何でしょうか。

招待されたとき

招待状が届いたときのポイントです。 まず、結婚式を開くことに対して「中止したほうがいいのでは?」といった提言をしたり、結婚式を開くこと自体に対する疑念を投げかけることはしないほうがいいでしょう。なぜなら、招待状を送ってくれたカップルも感染リスクについては十分考慮した上で、今後の予定やキャンセル料など諸々の事情を踏まえて、開催することを決断しているはずだからです。二人の選択を支持したうえで、自分が出席すべきかどうかを考えましょう。 出席すべきかどうか考えるにはまず当然ながら、自分の体調を確認しなければなりません。若い世代であれば自分でも気づかないうちに感染している場合があるので、熱はないか、咳は出ていないかなどの自覚症状の有無を確認するだけでなく、可能ならPCR検査を受けることをおすすめします。万が一自分が感染していた場合、式に出席することで多くの方に迷惑をかけることになってしまいます。 感染していないことが分かったら、出席するための前提条件はクリアです。あとは自分の意志を確認するだけ。出席したいと思ったらイエスで返事をすればいいですし、出席しようか迷ったときには、新郎新婦とどのような関係をこれまで結んできたか、これからどのような関係を結んでいきたいか、周りの人間に相談しつつ考えていきましょう。 出席の返事を出したら、当日までに、式場でどのような対策が行われるのか、挙式・披露宴の変更の有無、服装やマスク着用ルールの有無などを新郎新婦に聞いておきましょう。また、会場の公式サイトなどを見て感染防止対策ページを確認するのもいいでしょう。

出席を断るとき

感染リスクが不安で出席を断りたいときには、招待状の返信で欠席を伝えた上で、メールや電話などでも連絡した方が誠意が伝わるでしょう。その際マナーとして、招待されたことをうれしく思う気持ち、結婚式を開くことに対するお祝いの言葉は必ず添えるようにしましょう。 欠席の理由がコロナであると伝えるべきかどうかは難しい問題です。感染リスクをどう考えるかは個人によって違うため、伝え方・受け取り方によっては相手の気持ちを害してしまう可能性もあります。詳細は伝えないほうがいいかもしれませんし、あまり親しくない間柄であれば「仕事の都合で」などと言った方が相手を傷つけないで済むかもしれません。

主催者もゲストもハッピーになれる結婚式を

以上、コロナ禍で結婚式を開催するにあたり、主催側とゲスト側が注意すべきマナーを解説してきました。感染リスクはどうしても不安に感じてしまいますが、結婚をお祝いしたい気持ちはどちらも同じ。大変な時だからこそ、幸せな日になるようによく考えた上で、準備しましょう。
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