カートに商品がありません
事実婚とは、婚姻届を提出せずに夫婦同等の生活を送っている状態を指します。法的な婚姻関係ではないため、夫婦としての権利や義務は限定されますが、近年、ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、事実婚を選択するカップルが増加しています。
内閣府の調査によると、2021年時点で成人人口の2~3%、約40万~60万人が事実婚を選択していると推計されています。これは、2010年の調査結果と比較すると約1.5倍に増加しており、今後も増加傾向が続くと予想されています。
時代の流れに合わせて、事実婚に関する法整備の動きも活発化しています。2022年には、民法改正により、事実婚の子どもが亡くなった場合、遺産相続人として認められるようになりました。また、政府は、事実婚のカップルが円滑に生活できるよう、制度の整備を進めていく方針です。
日本では、民法に基づき婚姻届を提出して正式な夫婦関係を結ぶことが結婚の基本的な形態とされています。一方、婚姻届を提出せずに夫婦同居をしている状態を「事実婚」と呼びますが、法的な婚姻関係として認められていません。
そのため、以下のような権利や義務は認められません。
事実婚を選択する理由は人それぞれですが、主に以下の点が挙げられます。
日本では、夫婦同姓が原則ですが、事実婚であれば、夫婦それぞれが旧姓をそのまま名乗ることができます。近年、夫婦別姓制度の導入が議論されていますが、法整備が進んでいない現状では、事実婚が夫婦別姓を実現する方法の一つとなっています。
婚姻届の提出には、本人確認書類や住民票などの各種書類が必要で、手続きも複雑です。また、役所へ赴いて手続きを行う必要があり、時間や手間がかかります。事実婚であれば、このような手続きは不要です。
様々な理由から、籍を入れたくないと考える人もいます。例えば、過去に離婚歴があったり、親族との関係を良好に保ちたい場合などが考えられます。
婚姻届を提出すると、住民税や健康保険料などの各種手続きが必要となり、場合によっては費用がかかることもあります。経済的な理由でそのような費用を負担できない場合、事実婚を選択することがあります。
すでに一度婚姻届を提出している場合、再婚には様々な制約があります。例えば、離婚後一定期間経過しないと再婚できないなどの制限があります。このような制約を避けるために、事実婚を選択する人もいます。
結婚に対する価値観は人それぞれであり、必ずしも婚姻届を提出して夫婦関係を築きたいとは考えていない人もいます。事実婚であれば、形式にとらわれずに、自分たちのペースで関係を築くことができます。
日本では、同性婚が認められていないため、同性同士のカップルが婚姻関係を築くことはできません。事実婚であれば、同性同士でも夫婦同等の生活を送ることができます。
国によっては、婚姻手続きが複雑だったり、日本での婚姻が認められない場合もあります。そのような場合、事実婚という選択肢があります。
事実婚には、以下のようなメリットがあります。
夫婦別姓が可能一方事実婚には、以下のようなデメリットがあります。
事実婚のデメリットを克服するためには、様々な取り組みが必要となります。
事実婚に関する法整備これらの取り組みを進めることで、事実婚のデメリットを軽減し、より多くの国民が安心して選択できる制度にしていくことが重要です。
事実婚を選択する際には、以下の点に注意する必要があります。
財産分与や養育費について、事前に話し合い合意しておく夫婦の形は多様化しています。事実婚を選択するかどうかは、事実婚のメリットとデメリットをしっかり把握し、夫婦それぞれの事情や価値観をよく話し合い、慎重に判断することが大切です。
二人が納得して、1番幸せに一緒に過ごせる形を探してくださいね。