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婚前契約とは、結婚前に夫婦となる男女が、結婚後の生活や財産分与、離婚時の慰謝料などについて、書面で取り決めを行う契約です。日本では民法第755条で規定されており、公正証書による契約と私書面の契約の2種類があります。
婚前契約で決められる内容は基本的には自由ですが、以下のようなものが一般的です。
婚前契約で決められる内容は全て自由ではなく、民法や公序良俗などに反する内容などは無効となります。
以下、婚前契約で具体的に決められない内容の例を詳しく説明します。
一方が家事労働や育児を一切行わないことを約束する、一方が暴力や虐待を受けることを承諾する、一方が特定の宗教を信仰することを強制するなどがこれにあたります。
結婚後も別姓を続けることを約束する、一方が一方の財産をすべて譲渡することを約束する、一方が離婚できないことを約束するなどがこれにあたります。
一方が宝くじに当選したらその賞金をどのように分配するかを定める、一方が政治家になったら特定の政策を推進することを約束する、一方が子どもを産んだらその子どもの養育費をどのように負担するかを定めるなどがこれにあたります。
一方が一方の財産を自由に処分できない権利を放棄する、一方が一方の許可なしに仕事や住居を変えることができない権利を放棄するなどがこれにあたります。
婚前契約には、以下のような6つのメリットがあります。
婚前契約で、財産分与や離婚時の慰謝料などを事前に決めておくことで、結婚後にトラブルが発生するリスクを減らすことができます。特に、以下のような場合に有効です。
婚前契約を作成するためには、夫婦間で将来の生活や財産について話し合う必要があり、その過程で互いの考えや価値観を理解することができます。これは、円満な夫婦生活を送るために非常に重要です。
婚前契約は、夫婦双方が合意した結婚生活の指針となります。結婚生活の中で迷いや問題が生じた際に、婚前契約を見返すことで、当初の約束を思い出し、解決の糸口を見つけることができます。
婚前契約で財産分与や離婚時の慰謝料などを決めておくことで、将来離婚することになった場合の金銭的な不安を軽減することができます。特に、以下のような場合に有効です。
婚前契約で相続に関する事項も取り決めておくことで、将来相続に関するトラブルを回避することができます。特に、以下のような場合に有効です。
婚前契約で離婚時の条件を事前に決めておくことで、離婚手続きがスムーズになり、円満な離婚を促進することができます。
婚前契約には、以下のような6つのデメリットがあります。
婚前契約を作成するには、夫婦間で話し合いを重ね、内容をまとめる必要があります。また、公正証書による契約の場合は、公証人の手数料が必要となります。
婚前契約は、離婚や財産分与など、ネガティブな話題を事前に話し合うことになります。そのため、夫婦間で感情的な対立が生じ、関係が悪化する可能性があります。
私書面の婚前契約は、公正証書による契約と比べて法的効力が弱く、裁判所での判断が必要になる場合があります。
婚前契約は、結婚当時の状況に基づいて作成されるため、将来の状況の変化に対応できない場合があります。
婚前契約は、金銭や財産に関する取り決めを優先することになり、夫婦間の愛情や信頼を損なう可能性があります。
婚前契約は、夫婦間のすべての問題を解決できるわけではありません。人間関係のトラブルなどは、契約で解決できない場合があります。
婚前契約書は、夫婦双方が納得いく内容であることが1番重要です。契約内容について十分に話し合い、互いの意見を尊重しながら、双方が納得できる内容を検討して作成しましょう。
前述した通り、婚前契約書の内容は、公序良俗に反しないものでなければなりません。人身の自由や尊厳を侵害するような内容、法令に違反するような内容は無効となります。
婚前契約書は、将来の状況の変化に対応できるように、変更できる内容にしておくことが重要です。結婚後にライフスタイルや経済状況などが変化した場合、必要に応じて契約内容を変更できるようにしておきましょう。
私書面の婚前契約書は、公正証書による契約書と比べて法的効力が弱く、裁判所での判断が必要になる場合があります。そのため、婚前契約書は公正証書で作成することをおすすめします。公正証書は、作成手続きに時間がかかることや手数料が必要となりますが、法的効力が強く、何かあった際にも争いを予防する効果があります。
婚前契約書は法律的な知識が必要となるため、作成前に弁護士に相談することをおすすめします。弁護士は、契約内容の合法性や妥当性をチェックし、夫婦双方が納得できる内容を作成するためのアドバイスをしてくれます。
婚前契約書は、自分で作成することもできますが、弁護士に相談することをお勧めします。
まず、夫婦間で話し合いを行い、婚前契約書で決めたい内容を具体的に検討します。
話し合いのポイント
婚前契約書は法律的な知識が必要となるため、弁護士に相談するのが良いでしょう。
弁護士選びのポイント
話し合いの内容を踏まえ、婚前契約書の内容を具体的にまとめます。
まとめる際のポイント
契約書は、公正証書または私書面の2種類で作成できますが、公正証書での作成がベターです。
最終的に内容を確認し、夫婦双方が契約書に署名・捺印します。
公正証書の場合は、公証役場で手続きを行う必要があります。内容にもよりますが、作成の費用は数万円程度です。
必要な書類
完成した契約書は、双方1部ずつ安全な場所で保管しておきましょう。
婚前契約書は、必ずしも必要ではありません。しかし、結婚後のトラブルを防ぎたい、離婚時の財産分与をスムーズに行いたいと考えている場合は、作成することを検討してみるのも良いでしょう。最終的に婚前契約書を作成するかどうかは、夫婦間でよく話し合って決めることが大切です。