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結婚式は、当事者たちにとっては人生の一大イベント。出席する人たちにもそれなりのマナーが求められます。とりわけ、服装やアクセサリーに関するマナーはたくさんあります。
スマホの普及により、腕時計をする人が減ってきました。その影響で、腕時計に関するマナー意識も多少薄れてきてはいますが、結婚式は様々な年齢層のゲストが集まる場所。意図せず誰かに不愉快な思いをさせてしまうこともあり得ます。そうならないために、結婚式に着けていく腕時計のマナーについて、最低限おさえておきたいものを今回は見ていきましょう。
そもそも、「結婚式に腕時計を着けていくこと自体がマナー違反だ」という意見があります。なぜなら、結婚式では、「そこにいる全員が、時間を忘れて楽しんでいる」ことが絶対で暗黙の了解だからです。「腕時計を着けている」→「時間を気にしている」→「早く帰りたいと思っている」→「新郎新婦に失礼!」と、こういう理屈なんですね。このような理由から、本来腕時計は不要なものとされてきたのです。
驚きかもしれませんが、携帯電話が普及する前は、こういった認識が一般的でした。今でも、気にする人が全くいないとは言い切れないので、結婚式会場に入る直前には腕時計は外しておくのが無難と言えます。
しかし、「結婚式に腕時計はマナー違反」と言い切れないのがややこしいところで、最近はスマホの普及によって、腕時計に対する認識も変わってきました。つまり、時間を確認するための道具から、スーツやドレスに合わせるファッションアイテムとしての認識に変化してきているのです。これにより、腕時計を着けていることがマナー違反だという認識は徐々に薄れています。
したがって、結論としては、会場の雰囲気を予測し、ケースバイケースで対処するということにします。仲の良い友人たちによるカジュアルウエディングに呼ばれた場合には、腕時計を着けていっても大丈夫でしょう。しかし、年齢層が高めの結婚式や、仕事関係の人に呼ばれた結婚式などでは、腕時計は外していったほうが無難と言えます。
時計を付けて行くにしても、堂々と時計を見て時間を確認するのは控えた方が良いです。結婚式会場にはたくさんの人がいるので、自分の姿が誰の目にも止まっていない瞬間を狙って時計をチラ見したつもりでも、誰が目ざとく見ているか分かりません。どうしても時間を確認したい、文字盤を見たいという場合には、可能なかぎりさりげなく目をやる(顔を動かさずに視線だけで見るなど)術を身につけるか、または個室トイレなど絶対に誰の目にも留まらない場所で確認するようにしましょう。
それでは次に、結婚式にふさわしい腕時計の種類について解説していきます。
友人に誘われたとしても、やはり結婚式は「式」と名のつく通り「儀式」であり、フォーマルな場です。ファッションとして腕時計を着けていくにしても、カジュアルすぎるデザインの腕時計はやめておきましょう。
まずデジタルかアナログかで言うと、アナログ時計が結婚式には適しています。たとえばGショックやスントといったデジタルウォッチ、タッチパネル式スマートウォッチなどは高機能で便利ですが、スポーツやアウトドアといった場面で着けていくものであり、結婚式には相応しくありません。アナログ時計ならなんでもいいのかと言うとそうではなく、アナログでもデザインが派手なものは避けましょう。
次に色で言うと、フォーマルな場にふさわしいものとしては、シルバーか黒、もしくは茶色が挙げられます。結婚式では新郎新婦が主役であり、彼らが身に付けるものより派手なものを身につけていてはいけません。したがって、視線を集めるようなカラフルなものや、ギラギラとしたゴールドのものは控えましょう。
次に、ブレスレットについて。メタルバンドよりは、レザーベルトのほうが落ち着いた印象なので、結婚式には適しています。カラーは革靴やベルトと一緒に黒で統一するのがおすすめ。どうしてもメタルを着用したい場合には、金無垢ではなくシルバータイプを選びましょう。ラバーストラップや、ナイロン製のものは当然NGです。
次に文字盤について。やはり落ち着いた色か、明るい色なら白やシルバーを選ぶのがいいでしょう。針の数も、クロノグラフやダイバーズウォッチなど文字盤のデザインが複雑なものはどうしても目立ちがちなので、やはり時針・分針・秒針のみのシンプルな3針モデルがベストですね。
このように、マナー的な観点から結婚式にふさわしい腕時計の種類を解説してきましたが、披露宴や二次会などの場では、おしゃれを重視して、例えばスーツにダイバーズウォッチを合わせるなどの「ハズした」スタイリングも可能となります。
女性が結婚式で身につける腕時計も、基本的には男性と同様、新郎新婦よリも目立たないもの、新郎新婦と被らないものを意識しましょう。
よって色も、人目をひくようなゴールドやカラフルななものはやめて、シルバーやブラックなど、落ち着いたものにしましょう。色合いは地味でありながら、どこか上品さの漂うものにできると良いですね。例えば、ドレスがネイビーなどシック味なら、腕時計もシルバーなどシック味にするなど、ドレスと時計の色を合わせると、多少華やかなデザインの時計でも、ドレスに馴染んで悪目立ちしづらいです。
ベルトについては、男性と同じように、シルバーのメタルバンドや黒のレザーベルトタイプでも良いでしょう。でも、せっかくの結婚式なので、少しは女性らしく華やかなものを身につけたいという方には、ドレッシーなデザインのブレスレットウォッチがおすすめです。派手過ぎず、ジャラジャラしておらず、それでいて手元をさりげなく演出してくれます。 文字盤についても、あまり目立たないような、小ぶりで華奢なデザインがいいでしょう。普段、文字盤の大きなメンズタイプの腕時計を身につけている女性は、結婚式にはサイズの合ったレディースのものに付け替えましょう。また、女性は、文字盤が手首の内側に隠れるようにして着けるのが一般的です。
時計について紹介したついでに、時計を含めたアクセサリーに関する注意点についても解説しておきましょう。
何度も言うように、結婚式は新郎新婦が主役なので、彼らより目立ったり彼らと被ったりすることがあってはいけません。よって、生花やコサージュなどひらひらしたものや、宝石やビジューがついたものは被りやすいため避けたほうがいいですし、白色のアクセサリーも選ばない方がいいです。
ただし、パール(真珠)はお祝いの席では定番なので、むしろ推奨されます。フォーマルな場に最もふさわしいアウセサリーはホワイトパールとされているのです。もっとも、黒色のパールは不吉を連想するため注意。また、黒いドレスに白のパールの組み合わせも、同様のイメージを連想させるため避けましょう。
また、アクセサリーでは、季節外れのものを選んでしまうのも良くありません。ベロアのリボンや髪飾りは秋冬用のデザインですし、夏には涼やかな素材、春には淡い色調のものなど、季節感を意識してデザインを選ぶのも大切なポイントです。
それと、気をつけたいのが、ファー付きのアクセサリーや動物柄。これらは殺生を連想させるため、マナー違反となります。服装においても同様で、冬などあったかい格好をしたくなる時期にも、ファー素材の物を着ていくのはいけません。結構見落としがちなので気をつけましょう。
もう一つ注意点としては、昼間の結婚式では、光り物を身につけることはなるべく避けること。なぜなら、写真撮影の時に、日光が反射して、周囲の人や新郎新婦たちの写り具合に影響してしまう可能性があるためです。夕方や夜の結婚式ならその心配はないので、ナイトウエディングの雰囲気に合ったシックで大人っぽいデザインを選ぶといいでしょう。
ここまで、結婚式にふさわしい時計の種類について確認してきましたが、種類以前に、状態が悪い時計を着けていくのもマナー違反になります。
状態が悪いとはどういうことかと言うと、例えば、文字盤にヒビが入っている状態。「割れる」という言葉は「別れる」を連想させるものと認識されているので、ほんの少しでも文字盤が割れている腕時計は着けて行ってはいけません。また、汚れがあったり、不潔な印象を持たれうる状態。これも、種類以前に、そもそも結婚式以前に、人前で着けていくものではありませんね。
時間はスマホの画面を見るだけでも確認できるため、どうしても悪い状態の腕時計しかないなら、そもそも着けていかない方が良いです。結婚式は新郎新婦にとって人生の一大イベントですから、言葉やプレゼントだけでなく、その装いでもって、お祝いの気持ちを表現しましょう。