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まずは内閣府ホームページの「結婚新生活支援事業」の事業概要を見てみましょう。「結婚に伴う新生活のスタートアップにかかるコストを支援する結婚新生活支援事業(新婚世帯を対象に家賃、引っ越し費用等を補助)を支援する」とあります。交付上限額は1世帯当たり30万円、国の補助率は二分の一、その他の条件として二人の年齢が34歳以下であること、世帯年収が480万円未満であることなど。つまり、「地方自治体がそれぞれの地域でこのような新生活支援事業を行うなら、国はそれを半額だけ支援します」というものなんです。
それでは、実際に結婚新生活支援事業を実施している市町村はどれだけあるのでしょうか。内閣府ホームページの「交付決定状況」を確認すればわかる通り、驚くほど少ないです。内閣府の集計によれば、現在事業を実施している自治体は全国281市町村、全体の16%しかありません。支援を受けるためには、まずこの限られた市町村に在住していることが条件になります。ちなみに、東京で実施している自治体は一つもありません。結婚新生活支援事業は「地域における少子化対策の推進を目的として実施」されていることもあり、少子化の進行が比較的緩やかな首都圏、都市部での実施地域はほとんどゼロというのが現状です。
しかし、これではあまりに対象地域、対象世帯が少なすぎて政策の意味を成しているとはいいがたいです。そこで菅内閣が新たに方針を打ち出しているのが、「結婚新生活支援事業の支援額の上限を60万円、国の補助率を三分の二に引き上げ、そのほか年齢条件を39歳以下、世帯年収条件を540万円未満に緩和する」というもの。支援の内容を充実させ、支援対象を拡大することで、財政的に余裕がない自治体などが新たに実施に踏み出してくれることを期待しているわけです。
ただし今のところは「方針を固めた」に過ぎないので、実施する自治体が増えるかどうかはこれからの変化を待つ必要があります。今後どのくらい拡充していくのか、しっかり見守っていきましょう。
以上、結婚新生活支援事業の詳細について解説していきました。今後どうなるかは分かりませんが、現状ではほとんどの世帯が対象外であることがお分かりいただけたかと思います。しかしながら、「結婚新生活支援事業」のほかにも、特に出産・子育てを計画している夫婦には、自治体によって様々な補助金・助成金が実施されています。