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ブライダルケーキの歴史はとても古く、古代ギリシャの時代に遡ります。「ブライダルケーキ」と言っても、その頃は、主食の小麦を使ったビスケットでした。結婚式の中で、ビスケットを細かく砕き、豊作と子宝に恵まれるように、という願いを込めて花嫁の頭上にまくという習慣がありました。
その後もブライダルケーキは、スコーンやぶどうパンなど、時代や土地に合わせて変形しながら、結婚式で活躍しています。形は変わっても豊作と幸せな人生への願い、それをみんなで分かち合おうという願いがこめられていました。また悪魔が甘いものを嫌うという言い伝えもあります。ブライダルケーキには魔除けの意味合いもあったんですね。
現在のブライダルケーキにもっとも近い形のものが生まれたのは、18世紀後半のイギリスでした。バターケーキにシュガーペーストでレースのような飾り付けをしたのが始まりでした。この時のケーキはレシピも現存しており、「ブライドケーキ(花嫁のケーキ)」と呼ばれています。
日本で、式にケーキを用意するのが主流になったのは昭和からです。欧米のスタイルを意識した生活や文化が広まり、それに伴って結婚式も変化してきたのです。
ブライダルケーキが広く世に広まったきっかけは1858年に行われたヴィクトリア女王の第一王女の結婚式でした。当時、新聞で特集された女王の結婚式の記事にケーキの挿絵が掲載されたことが発端です。その挿絵に載ったケーキが三段でした。こうした経緯の中から、三段のケーキがメインストリームとなっていきます。
このような背景を持つ、イギリス式の三段のケーキのことを「シュガーケーキ」と呼びます。砂糖、水飴、ゼラチンなどを混ぜて作ったシュガーペーストでフルーツケーキをコーティングしたものです。シュガーケーキの特徴は砂糖でコーティングされているため、とても保存期間が長いことです。湿度などの保存状態に気をつければ100年は保存することができるとも言われるほどです。
三段のデザインには、その段ごとに意味があります。順番に紹介しますね。まず一段目は式に参列してくれた人たちみんなと一緒に食べるため。続いて二段目は式に来られなかった人たちに配るため。最後に三段目は結婚記念日など新郎新婦にとって特別な記念日に食べるため、もしくは、将来誕生した子供と一緒に食べるため。というように、それぞれこのような意味を持っているのです。
式に来られなかった人に配ったり、将来の記念日に改めて食べるなど、保存期間の長いシュガーケーキならではの風習ですね。現在の披露宴で行われている、参列者と一緒にデザートとしてケーキを食べる演出はこの風習が続いているということですね。